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現役スタイリストが伝授!Tシャツのお手入れ方法

突然ですが、皆さんはTシャツの洗濯・お手入れをどのようにしていますでしょうか?

「白Tシャツのくすみ・黄ばみが気になる」

「首元のヨレやシワが気になる」

「表面の毛羽立ちが気になる」

そんな悩みをお持ちの人も多いのでは?

普段は丁寧に扱っているつもりでも、使い続けているうちに経年劣化をしやすいのがTシャツ類です。ですが、普段の洗濯行程を見直すことで、寿命を伸ばすことができます。

この記事では、Tシャツ愛好家を自称する現役スタイリストがケア方法を解説します。この記事を読めば、お気に入りのTシャツを長く着用することができますので、ぜひ参考にしてください。

 

※記事内でオススメしている洗剤等の商品リンクは広告・アフィリエイトではございませんのでご安心ください。

Tシャツの汚れの種類と対処法4選

Tシャツの洗濯方法

まず、Tシャツの汚れの種類とそれぞれの対処方法について説明します。

❶ 汗・皮脂汚れ

汚れと聞いて真っ先に浮かぶのは汗と皮脂ですね。意外にも、汗それ自体は無味無臭で汚れはほぼありません。ただ、汗の水分が皮脂と影響し合うことでニオイ汚れの原因となります。男性のニオイ汚れの原因は、30代半ばまでは脇の下を中心とした「汗臭」、30代後半からは後頭部を中心に「ミドル脂臭」、50代からは体幹部を中心に発生する「加齢臭」の3つということが研究で分かっています。実は、3つ全てが同居する40代が最も要注意です。


対処法として有効なのは予洗いです。皮脂汚れが蓄積しやすい脇・首回り・背中は特にケアが必要。洗濯機に放り込む前に、患部をぬるま湯で濡らし少量の洗剤をつけて揉み洗いをしましょう。都合の良い洗剤がなければ、石けんでも大丈夫です。

注意点はゴシゴシと擦らないこと。洗濯での汚れを落ちやすくするのが目的なので、汚れを浮かす程度で大丈夫です。

❷ ボディケア製品による汚れ(日焼け止め、制汗剤)

首回りの黄ばみ汚れの原因は、皮脂だけでなく日焼け止めや保湿クリームによるものも考えられます。最近は男性も日常的に日焼け止めを塗ることが増え、夏季だけでなく、年間を通して紫外線対策を行うことが推奨されています。接触が多い首周りには汚れが付着しやすいです。他にも、制汗剤の多用による脇の下の汚れは、汗と共に酸化して黄ばみとなりやすいので注意が必要。


対処法として有効なのは、ここでも予洗い。ボディケア製品が付着していると感じたら、石けんがおすすめです。石けんは弱アルカリ性のため、酸化した汚れを落としやすいです。

❸ 飲食物による汚れ

外出時の飲食の機会で不可避なのが、食べこぼしなどによる衣服への付着です。自宅であれば、速やかな対処が可能ですが、外出先ではそうはいきませんよね。注意するだけではなく、事前に対策しておきましょう。


汚れが付着した際に重要なのは、放置しないこと。汚れは乾燥することで落ちにくくなるため、洗面所などで患部を濡らした後に少量の台所用洗剤を塗布しておくと、帰宅後の洗濯で落ちやすくなります。

❹ 外的な汚れ(チリ・ホコリ)

チリやホコリなどは、全身につきやすい汚れです。一方で、比較的落としやすく、日常的な洗濯で対策が可能です。ただし、頻繁に洗濯する夏物のTシャツ類に対し、家庭での洗濯がしにくい冬物はチリやホコリ汚れが溜まりやすいので、定期的なブラッシングで対応する必要があります。

Tシャツの洗濯時におすすめのケア方法3選

Tシャツの洗濯方法

❶ 洗濯ネットを使用する

たとえTシャツがタフな存在であっても、必ずネットを使用して洗濯しましょう。衣類は濡れると生地や縫製部分の強度が落ちます。無防備な状態で洗濯槽の中に入れてしまうと、他の洗濯物との絡まり・ぶつかりで痛む原因となるため、少量でも洗濯ネットの使用は必須です。

❷ 洗濯物の入れ過ぎに注意

一度に多くの衣類を洗濯機に入れると、洗浄力が低下します。汚れを落とすためには洗剤が付着した衣類同士が摩擦し合うことが必要なのです。衣類の量が多すぎると隙間がなくなり、摩擦が生じにくくなるため注意しましょう。一度に洗う洗濯物の量を見直すか、洗濯時の水量を多めに設定するのがおすすめです。

❸ すすぎは2回がおすすめ

すすぎは、できるなら2回に設定しましょう。「すすぎ1回でOK」を謳う洗剤も多いですが、1回と2回では洗濯後に残るニオイが違います。すすぎを2回した方がニオイ残りが確実に少なく、自然で爽やかな香りがします。経済・環境面を考えるなら、お風呂の残り湯を上手に使って2回のすすぎを行いましょう。

Tシャツの傷みにくい干し方とおすすめ品

Tシャツの洗濯方法

基本は部屋干し&扇風機

衣類に最も負担をかけない方法は、室内での部屋干しと風あてです。天日干しでは紫外線による退色、生地劣化が生じやすいため、避けるのがベター。「部屋干しは乾きにくく、ニオイやすいのでは?」と思う人もいるでしょうが、その対策として風あてが有効です。扇風機やサーキュレーターを活用して乾燥の時間を短縮しましょう。洗濯終了後は手早く洗濯機から取り出し、時間を置かずに乾かすことも重要です。

一方で、ニオイが気になる衣服は天日干しを行い、短時間で乾かしましょう。紫外線には高い殺菌効果があるため、乾きにくい綿100%素材のTシャツやタオル類は天日干しがおすすめです。

太めのハンガーで干す

洗濯物を干す際に使用するハンガーは「乾きやすさ」「型くずれのしにくさ」の2つの理由で、太めのものをおすすめしています。

 

乾きやすさ

太めのハンガーの使用は乾燥時間の短縮になります。干す際に衣類の中に隙間ができ、風が抜けることで乾きやすくなるためです。一方で、針金のハンガーのような細いものは胸側の前身頃と背中側の後身頃の生地が接触するなど、乾きにくいだけでなく、ニオイの原因にもなるため避けましょう。

 

型くずれのしにくさ

太めのハンガーは洗濯物にハンガーの跡が残りにくいです。細いものは洗濯物の肩部分にハンガーの端の跡が残りやすいため、ここでも針金ハンガーのような細いものは避け、太めのハンガーを肩の縫い目に合わせるように干しましょう。また、太めのハンガーには首周りを伸びにくくするため型崩れの防止にも効果的です。


参考までに、私が愛用しているハンガーを紹介しておきます。

3COINS(スリーコインズ) 衣類が乾きやすいハンガー3個セット ¥330(税込)

Tシャツ用の洗剤の選び方

Tシャツの洗濯方法

蛍光増白剤入りのものを避ける

蛍光増白剤とは、衣料品の白さを際立たせる目的の成分です。白がより白く見えるため、短期的にはメリットを感じやすいです。一方で、使用を重ねることで衣類の白が青白く変色するため、長期的にはデメリットにもなります。特に、男性は長期的なスパンで服を所有する傾向が強いため、メンズ服の白との相性は決して良くないと感じます。成分表示を確認し、蛍光増白剤の記入があれば避ける方が無難です。

漂白成分を確認

蛍光増白剤と同様、白色を綺麗に見せるための成分の漂白剤も、市販の洗剤の多くに使われています。メリットは衣類のくすみや黄ばみを取り除く効果で、デメリットは色物を退色させやすいことです。

蛍光増白剤入りの洗剤と漂白剤入りの洗剤。双方を使った経験をもとに述べると、白い衣類には漂白剤の方が安心して使えると思います。漂白剤がくすみや黄ばみを除去して白色本来の明るさをキープするのに対し、蛍光増白剤は使用を重ねることにより青白く変色して見えるためです。成分表示を確認して洗剤を選びましょう。

おすすめの洗剤

液体タイプ

フレグランスニュービーズ ジェル ピュアクラフト ミューゲ&カモミールの香り 洗濯洗剤

緑の魔女 ランドリー(洗濯用洗剤) 820ml

洗濯洗剤は、使用用途に分けて複数を用意するのがおすすめです。普段使いには、上記のような液体タイプを使用すると良いでしょう。漂白剤・蛍光増白剤の入っていないので、安心して日常的に使えます。

 

粉末タイプ

消臭ブルーダイヤ 蛍光剤無配合 洗濯洗剤 粉末 0.9kg

くすみや黄ばみが気になる時は、漂白剤の入った粉末タイプがおすすめです。洗浄力が高く、白Tシャツなどには特に効果的。漂白剤入りの洗剤は退色しやすいデメリットもありますが、液体タイプの洗剤と併用することで互いのメリットを活かせます。

Tシャツのおすすめ着用方法

Tシャツの洗濯方法

インナーを着用する

Tシャツを着る時には、常時インナー(肌着)も着用することをおすすめします。大人の男性は、基本的にTシャツ1枚での着用は避けた方が良いでしょう。理由は、肌の透けと汗染みを対策するためです。Tシャツ1枚での着用は乳首が透けやすく、浮きやすいこともあります。汗染みについても同様に、見せないことがエチケットです。未然に防ぐことでスマートな大人男性をアピールすることもできますので、肌着のマストと考え着用しましょう。

インナーの選び方

素材は乾きやすい機能性素材を選ぶ

インナーを選ぶ際に重要なのは「素材」と「型」の2つです。

素材は乾きやすい機能性素材のものを選びましょう。昨今では量販店なども通年で販売に力を入れており、選択肢も増えています。一方で、綿100%のものは避けるのがベター。吸水性が高く汗をたくさん吸いますが、乾きにくいためインナーにはやや不向きです。

型はタンクトップタイプかTシャツタイプを選ぶ

手軽に取り入れやすいのが、タンクトップ型のインナー。首周りの開きが大きく、Tシャツを着た際に首元からインナーが見えてしまうこともありません。ワキが開放されているため風通しがよいのもメリットです。

一方で、ワキ汗の量が多い人におすすめなのがTシャツタイプのインナー。袖があるため、脇の下にできやすい汗染み防止にも効果的です。タンクトップを着慣れていない方も取り入れやすいでしょう。

【まとめ】お気に入りのTシャツと快適に付き合おう

タフに思えるTシャツも、実はデリケート。取り扱い次第では短命に終わってしまうこともあるので、ケアが重要になります。まずは汚れの種類と対処法を知り、洗濯時にもケアをしてあげましょう。

カジュアルな衣類のため、それ自体に肌着の役割を求めがちなTシャツ。下着メーカーGUNZE(グンゼ)社の統計データによると、Tシャツの下にインナーを着用する男性は年代別に見てもほぼ50%を下回っています(注1)。着用するだけで差別化ができますので、まだの方はぜひお試しください!

 

注1)GUNZE 着ごこちプラス 「白Tシャツの「乳首透け」「汗ジミ」問題にはインナーを着よう!重ね着するならin.T」2023年8月31日

40代以上の男性にオススメのTシャツ

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かんくろう

メンズファッションスタイリスト/業界歴17年/ブランド旗艦店・ISETANメンズMGR/東京から三重県に移住/個人向けスタイリストを開始/Webメディアでも執筆中/プライベートでは2児の父